5-4 日本の教育再生をねがって  「世界に誇る日本人の心」 −武士道精神を後世に−

                                                     新潟滋賀県人会
                                                     会長 中村 五郎
                                                    平成21年(2009年)

 教育基本法」改正のあと、成否の鍵を握る地方版教育改革の促進活動
 大多数の国民が長い間、待ち望んでいた「新教育基本法」が平成18年12月16日、当時の野党(民主、共産、社民、国民新4党)の反対を押し切り、自民、公明(当時の与党)の賛成で、遂に可決成立いたしました。

  戦後、約60年続いてきた戦後教育″は遂に終止符を打たれ、教育政策の大転換がなされたのです。
 しかし、国の教育改革は、教育基本法の改正で一応その形は整ったものの、この改革が本当に実現するか否かは、今後の全国都道府県による教育行政の取り組み次第なのです。
 (抵抗勢力による妨害の動きが活発です〉
  @ 各都道府県、政令指定都市による「教育基本計画」の策定
  A 学力調査結果の市町村別公開
  B 新教育基本法の教育目標に合致した各都道府県の「教科書採択基準」の制定いわば、これら地方版教育改革がその成功の鍵を握っており、これらが実施されなければ教育改革≠ェ掛け声倒れになる虞れ(おそれ)があります。
 
 これらを所管している役所は都道府県教育委員会ですが、国の教育改革を前進させるためには各々の都道府県民による強い要望活動によって、各都道府県教育委員会の取り組みを市民サイドから、強力に促進する必要があります。
 それぞれ、地元の都道府県議会を活用し、教育委員会や首長に要望することが必要なのです。

 中学校、高校の保健体育授業で「武道」の必修(選択)化、始まる
新教育基本法に基づく「中学校学習指導要領」が、文部科学省より平成20年3月に告示されました。
 (「高等学校学習指導要領」は、平成21年3月に告示)その中の教科「保険体育」の中、「武道」に関する部分を抜粋し、その中味を列記します。
 1) 中学校1〜2年 <必修>
   武道の授業で、「柔道・剣道・相撲」からいずれか一つをする。
 2 ) 中学校3年 <選択>
   「球技」と「武道(柔道・剣道・相撲)」から一つ以上選択する。
 3 ) 高校1年 <選択>
   「球技」と「武道(柔道・剣道)」から一つ以上選択する。 
 4 ) 高校2年以上 <選択>
   「機器運動」、「陸上競技」、「水泳」、「球技」、「武道(柔道・剣道)」、「ダンス」から2つ 以上選択する。
 5) 中学校では平成24年度から完全実施、高等学校では平成25年度入学生から順次実施となる。それまでは移行措置期間となる。

 「武士道」は日本が世界に誇る人類普遍の価値観である「ヒューマニズム」(人道主義)なのです
  明治32年(1899年)アメリカで研究生活を送っていた新渡戸(にとべ)稲造(いなぞう)(1862〜1933)は、37歳の時、日本の武士道を世界に紹介すべく、英文で「武士道」を著作し、発表しました。
この本を読んだ当時の米国のTh.ルーズベルト大統領は、日本の「武士道」に痛く感動し、この著書を世界の指導者に贈本して、各国首脳から広く共感を呼び、列強各国に日本精神への理解を深めさせたと云われています。
 
 また、司馬遼太郎の著書「坂の上の雲」で多くの人々に感動を与え話題となっている東郷平八郎連合艦隊司令長官や乃木希典陸軍大将を始め、秋山好古(よしふる)騎兵旅団長や多くの日本の陸海軍指揮官、将兵達の「武士道」精神による戦場での美(うる)しい敵将兵への「思いやり」は多数の日本人の心を揺り動かして余りあるものです。
 一体「武士道」とはどのような精神(スピリット〉なのでしょうか。
 以下に新渡戸 稲造著、奈良本 辰也訳・解説の「武士道」からその骨格を抜粋し、列挙します。
 (1) 「義」  武士道の光り輝く支柱
         正義の道理、義は人の骨格、人の道
 (2) 「勇」  「義を見てせざるは勇なきなり」
         「義」と「勇」は武士道の双生児
 (3 )「仁」  慈悲の心、惻隠(そくいん)の情、愛、寛容
         民を治める者の必要条件は「仁」なり
 (4) 「礼」  人と共に喜び、人と共に泣けるか
         礼とは他人に対する思いやりの表現をすること
 (5) 「誠」  真のサムライは「誠」に高い敬意を払う
        「嘘」という日本語は真実(誠)でないこと
 (6) 「名誉」 「人に笑われるぞ」、「対面を汚すなよ」
         「恥ずかしくないのか」、「羞恥心」
◎ 武士道では個人よりも国を重んじる。西洋の個人主義と違い、全体の利害と個々の構成員の利害は一体不可分とする。
◎ 武道の武は「戈(ほこ)」(矛又は鉾とも書く)を止めるの意であり、敵の攻撃を止めること、即ち防御することである。

 GHQにより歪められた「戦後教育」からの脱却が不可欠な、日本の現代社会
 わが国は昭和20年(1945年)8月、敗戦国になり、GHQ(アメリカ主体の連合国軍最高司令部)の強い指令と監視の下に日本の戦前のすべてを否定する占領政策が、わが国社会を支配し、戦前の美(うるわ)しい美風や伝統文化が抹殺されました。
 GHQの最高司令官マッカーサーの指令の下、GHQ民生局長ホイットニー以下数名の手によって、僅か1週間で起草した新憲法草案をマッカーサー司令官から手交された当時の幣原首相がこれを受け入れたのです。
 日本政府が準備していた松本試案≠ヘGHQに拒絶された結果、幣原首相が僅か1週間で作った新憲法草案を閣議決定したのは、マッカーサー司令官から幣原首相が手交された日から僅か、9日後の昭和21年2月22日10月7、新「日本国憲法」が公布され、翌年、昭和22年5月3日、施行となったのです。
 
 一方、旧教育基本法が公布、施行されたのは、その最中の昭和22年3月のことでした。
 GHQは教育政策を特別に重視し、「愛国心」につながる用語や「神話の起源」、「日本の歴史に残る英雄」、「神道や祭祀」、「神社に関すること」、「伝統の尊重」や「宗教的情操の涵養(かんよう)」などの戦前のわが国のすべてを否定し、「日本の弱体化」を推し進めたのです。     
 「修身」や「日本史」、「地理」の授業の停止や戦時中の教科書の回収を命じたのもGHQの強い指令によるものでした。
 改正前の教育基本法は米国製憲法の理念を学校教育で補強するためにつくられたもので、現行憲法と同じく、戦勝国アメリカが敗戦国日本に押し付けたものです。
 
 敗戦国民となり純真な日本人は、厳しい戦時体制や思想、言論統制から一挙に自由と平和な時代となり、多くの国民が民主主義という甘い蜜の中に「日本弱体化」という毒が入っていることに気づかないまま、「日本はアジア侵略を行い、近隣諸国に莫大な損害を与えた犯罪国家だった」というプロパガンダ(宣伝)にまんまと騙(だま)し続けられたて今日に至ったのです。
 16世紀から20世紀までの約500年間の世界史を繙(ひもと)くまでもない史実ですが、アジア大陸、アフリカ大陸、アメリカ大陸、太平洋の島々を侵略して、殺りくや強奪、奴隷支配を繰り返し植民地として莫大な富を築いてきたのは誰か。
 それはスペイン、ポルトガルを始め英、米、仏、蘭、ロシアなどすべて西欧の白人種の国であったことは論ず余地もありません。
 
 その中で、白人に従わず、19世紀後半から急速に頭角を表してきた日本に、北からソ連、西からイギリス、東からアメリカが一挙に襲いかかったのが、1941年12月開戦となった大東亜戦争であったことは東アジアにおける近世、約100年間の歴史を調べれば明らかな史実です。
 
 そして、アジアの諸国を植民地から開放し、それらの国々に独立と自由を与えたのが、わが日本である事実は今も、東南アジア諸国の人達の対日感情に明らかです。
 にも拘らず未だ、多くの日本人が「自虐史観」の虜になっている現実に、私は今更ながら敗戦国≠フ悲しさを感じ、今こそ教育再生≠成し遂げなければ日本の将来はないと確信しております。
                                              (feb/2009)
                                              平成21年2月 発行
                                              「全滋連」34号に寄稿
 
 

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